column
「薬じゃないけれど」—健康食品・サプリメントの使用について
丹藤 雄介
1
1弘前大学医学部第3内科
pp.339
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909066
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外来に出ていると,患者さんが「これを飲んでもいいですか」と健康食品を持ってくることがあります.忙しいときには「そんなものを飲まないで,病院で出している薬だけを飲んでいなさい」などと言いたくもなるのですが,「健康になりたい」という患者さんの気持ちは大切にしたいものです.また,このような患者さんの相談を無視すると,危険性のあるものに手を出したり(中国産のダイエット剤の事故は記憶に新しいと思います),医師に黙って服用して,首を傾げたくなる検査結果が出たり(糖尿病の患者さんが「疲れるから」と栄養ドリンクを飲んでいたりすることもよくあることです),思いがけないことも起こります.
「健康食品を利用するのは自己責任で」といった考え方もあるでしょうが,生活指導としてこのような健康食品の適切な利用法や情報の提供を行うことも医師の役割です.日本では現在,非常に多くの健康食品が市販されています.『サプリメント』という言葉も広く普及してきているようです.2002年7月12日現在,厚生労働省が特定保健用食品として認可している食品は,297品目あります.このなかにはヤクルトやカルシウム配合菓子などコンビニなどで見かけるものもたくさんあります.
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