今月の主題 動きながら考える内科エマージェンシー
症状からのアプローチ
神経学的局在徴候を伴わない意識障害
溝井 令一
1
,
高木 誠
1
1東京都済生会中央病院内科
pp.794-796
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908126
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ポイント
神経学的局在徴候を伴わない意識障害では,脳の占拠性病変よりまず代謝性脳症を考えるべきである.ただし,くも膜下出血と急性髄膜炎は脳の器質的疾患であるが,神経学的局在徴候を伴わないので注意を要する.
意識障害の原因を同定し適切な治療を行うのが原則であるが,このために治療が遅れてはならない.重度の意識障害の患者では,まずバイタルサインの評価を迅速に行い,救急処置を最優先する.
患者自身から病歴をとれない場合には,周囲の人からの情報は貴重である.また患者自身の所見に,診断に重要な情報が潜んでいる.
血液検査,頭部CT検査は必須であり,髄液検査は必要に応じて迅速に行う.
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