増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の新しい展開—超音波の治療応用(超音波作用を利用した治療法)
音響抗癌剤増強作用
山下 裕一
1
,
甲斐 良樹
1
,
白日 高歩
1
1福岡大学医学部第2外科
pp.448-451
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907805
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古くからポルフィリン類は,癌に対する光物理化学的治療の研究に利用されている.このことは,ある種のポルフィリン類が癌組織に対し集積性または滞留性を有するだけでなく,光などの外部エネルギーによる物理化学的反応性に富んでいるためである.すでに臨床的には,ブタ血液由来のヘマトポルフィリン誘導体を原料に合成された腫瘍親和性光感受性物質であるポルフィマーナトリウム(フォトフィリン:Pf)が630nmの特定波長のレーザー光エネルギーにより励起される特性を利用し,光線化学療法(PDT:photodynamic ther—apy)として応用されている1).
本項ではPDTの光エネルギーの代わりに超音波エネルギーを使用した音響化学療法(SDT:sonodynamic therapy)について,今後の臨床応用の可能性を念頭に置き述べる.
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