“One More Step”
弁逆流の評価—カラードプラ法の功罪
坂本 二哉
1
1「Journal of cardiology」
pp.99
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907705
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弁逆流診断の主力は,かつては聴診・心音図であった.Mモード心エコー図の出現は狭窄症には有用であったが,逆流症にはほとんど無力であった.逆流に伴う様々な心エコー図上の変化は,その後も決定打を欠いていた.しかしカラードプラ法の出現以後は完全に主客転倒,心エコー図法の優位性を確立させたかにみえた.
だが,いくつかの問題が発生した.その一つはやたらと四弁弁膜症,つまりかつてはたいへん珍しく,症例報告にさえなっていた“quadrivalvular disease”が四弁逆流症“quadrivalvularregurgitation”として多くの例にみられるようになり,逆流評価に対する“臨床的”基盤が揺らいでしまったのである.
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