“One More Step”
探触子を当てさえすれば
中村 みちる
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.88
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907702
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超音波検査ではいろいろな疾患を診断できます.しかし当然のことながら病変部に探触子を当てなければ診断はできません.
皮膚筋炎の患者さんが,悪性腫瘍の合併の有無を確かめるために来室しました.初めに診た研修医の先生の診断は異常なし.その後確認で私が検査.確かに肝,胆,膵,脾,腎は全くきれい.最後に大動脈周囲を上腹部からずっと下腹部に向かって探触子を動かすと…….ごろごろと腫れたリンパ節が見つかり,診断は悪性リンパ腫となりました.腹部の検査では,各臓器だけでなく必ず大動脈周囲から骨盤腔内を,そして消化管病変が疑われる場合は,腹部全体をくまなく走査することが大切です.
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