マスターしよう基本操作
腹部超音波検査でのプローブの当てかた
丹生谷 徹
1
1春日部市立病院検査科
pp.1307-1314
発行日 1987年11月1日
Published Date 1987/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204327
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腹部領域の超音波検査の臨床的価値の高さは,現在の医療施設の大半にこの装置が設置されていることからもよく理解できる.実際,超音波断層法,中でもリアルタイム断層装置の出現によって,胆石の診断をはじめ多くの腫瘍性病変の早期発見も可能となってきている.また患者に対し苦痛を与えることなく,短期間で,しかも容易に影像として腹腔内を描出することが可能で,また短期日の間に反復して検査が実施できるので,経過観察にはたいへん有用である.
リアルタイム断層装置の出現とその後の技術革新によって,従来の手動接触型複合走査装置に比して走査技術は容易となり,かつ分解能の高い画像がリアルタイムに得られ,解剖学的にも理解しやすくなった.しかしながら,走査技術が容易になったとはいえ,他の診断技術に比して難易度は高い.そこで腹部領域において基本的走査法を中心として,超音波の投入の妨げとなる骨や肺,腸管ガスを避けながら,いかに明瞭な画像を描出するかを解説する.
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