今月の主題 アレルギー診療の実際
全身性アレルギー疾患
アトピー性皮膚炎の発症機序・病態と治療
池澤 善郎
1
1横浜市立大学医学部皮膚科
pp.269-272
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907357
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●アトピー性皮膚炎におけるアレルギー反応のタイプには,I型のIgE抗体伝達性の早発性反応(EPR;別名膨疹紅斑反応)と遅発性反応(LPR)ならびにIV型のT細胞伝達性遅延型過敏反応(DTHR)などがある.
●患者の症状とその進行に合わせて,1次治療,2次治療,3次治療とステップアップする.
●ステロイド外用剤の減量や離脱を念頭に置いて使用し,副作用の出やすい顔面は原則として避け,ステロイド軟膏の減量と離脱を可能にするために,難治例ではステロイド外用剤だけに頼った治療をしないで,食餌療法,環境改善,抗アレルギー薬,抗真菌剤や抗菌剤の併用,心因性反応に配慮した掻跛対策などの原因療法やステロイド外用療法以外の病態・対症療法をできるだけ併用する.
●ステロイド軟膏の減量・離脱のために,新しいタイプの免疫抑制剤軟膏,非ステロイド消炎軟膏・尿素軟膏・ヒルドイド軟膏・アズノール軟膏・白色ワセリン・亜鉛華軟膏などのスキンケア軟膏を併用する.
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