Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993
IV 治療のトピックス
病態から考えたアトピー性皮膚炎の治療
Treatment of atopic dermatitis based on its etiology
早川 和人
1
,
塩原 哲夫
1
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
IgE
,
サイトカイン
,
IFN—γ
,
シクロスポリン
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
IgE
,
サイトカイン
,
IFN—γ
,
シクロスポリン
pp.153-156
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900900
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
アトピー性皮膚炎(以下,ADと略す)の病態に関して,最近ではIgE抗体を介するlatephase reactionがADの病変形成に関与するとの見解が注目されている.抗原の侵入後,肥満細胞より放出されるサイトカインにより血管内皮細胞が活性化し,Tリンパ球等が皮膚に浸潤して炎症が進展してゆくと考えられる.またAD患者末梢血,病変部の抗原特異的Tリンパ球がマウスにおけるTh2細胞に類似しており,これより産生されるIL−4がIgE産生亢進の重要なmediatorであると考えられる.一方,病態より考えたADの治療には種々のものがあるが,今回はIFN—γ療法,シクロスポリン療法について述べた.作用機序としては,前者はIL−4の作用の抑制が,また後者についてはランゲルハンス細胞の抗原提示機能の抑制,血管内皮細胞の活性化の抑制等が推測されている.ADの治療に際しては,その主なる作用点が病変形成に至る免疫反応のどの部分にあるのかを考えて行う必要があろう.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.