CHEC-TIE—よい医師—患者関係づくりのために・23
診療コストと検査の選択が医師—患者関係にかかわる
箕輪 良行
1
,
柏井 昭良
2
1自治医科大学大宮医療センター総合医学第2
2自治医科大学看護短期大学
pp.2044-2045
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907246
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症例:高額な検査を希望した脳梗塞を疑う男性
イシカワさんは,話しづらさと後頸部の不快感を訴えて受診した48歳の男性である.1週間ほど前から自覚症状があり,ゴルフクラブをスイングするといつも通りにならないという.不動産の営業担当でやり手のイシカワさんは,酒,カラオケ,タバコはもちろん,つき合いは何でもOK.若いときは国体のスキー候補になるほどのスポーツマンだった.
「親は血圧が高くて,脳卒中で亡くなりました」診察すると血圧は156/104mmHg,脈拍72回,軽度肥満であった.神経学的所見では著明なものはなく,内頸動脈雑音や心雑音を認めない.意識消失,痙攣,嘔気の病歴はなく,心房細動もみつからなかった.高血圧がみられ,家族歴もあり脳梗塞のリスクはあるが,現在は所見がない.一過性脳虚血発作や脳梗塞も疑われた.
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