内科エマージェンシー 私の経験
無ガス性イレウスの診断の難しさ
木村 悟
1
1駒井病院内科
pp.400
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907184
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イレワスを疑ったとき.腹部X線上鏡面像の有蕪を確認することは重要だが、急性腹部の患者はイレウスの診断をするのに難渋した症例を提示する.
患者は75歳男性.主訴は上腹部痛,嘔気,嘔吐,既往歴として約20年前の虫垂炎の手術がある.入院当目の深夜,激しい上腹部痛で目覚め,その後も痛みが持続し,嘔気,嘔吐(茶褐色の吐物),冷汗もみられ救急車にて来院した.入院時苦悶様顔貌,右下腹部に虫垂炎の手術痕を認めた.上腹部は軽度膨隆し全体的に固く,筋性防御(±)〜(+),圧痛(+),腸蠕動音はほぼ正常(金属音は聴取せず)だった.
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