内科エマージェンシー 私の経験
著明な出血傾向を示したTIA症例
上坂 義和
1
1虎の門病院神経内科
pp.50
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907049
- 有料閲覧
- 文献概要
胃癌術後で5-FU投与にて経過観察されていた63歳男性.しゃべりにくさと左手の使いにくさを主訴に,早朝6時当院救急外来受診し,脳梗塞の診断にて入院となった.構語障害と巧緻運動障害は1時間ほどで回復したが,緊急の検査データが当直医をあわてさせた.WBC 4,300/μl,Hb 7.2g/dl,plt 7,000/μl,PT,aPTTは正常,TP 6.3g/dl,BUN 25mg/dl,Cr 0.9mg/dl,GOT 66KU,GPT 47KU,T. bil 1.9mg/dl,D. bil 0.5mg/dl,LDH 1,696HU,Amy 98SU/dl,CK 113IU/l,ESR 45mm/1hr,CRP 0.9mg/dl.尿定性は蛋白(1+),潜血(3+).
著明な血小板減少に加えて高LDH血症がある.肝障害も軽度ありそうだ.DICだろうか?初期なら凝固はまだ正常でもいい.胃癌が再発して骨髄への浸潤でも生じているのだろうか?
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.