臨床経験
著明な出血傾向を来たした転移性骨腫瘍の2例—DICの要約
荻野 幹夫
1
,
蜂須賀 彬夫
1
,
小坂 正
1
,
古谷 誠
1
,
浅井 春雄
1
,
村瀬 孝雄
1
,
井上 肇
2
,
三上 隆三
2
Mikio OGINO
1
1国立病院医療センター整形外科
2聖路加国際病院整形外科
pp.942-945
発行日 1978年10月25日
Published Date 1978/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905787
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はじめに
近年凝血学的検査法の進歩によつて,正常の凝固諸因子が急速にかつ大量に血管内の多発性血栓形成によつて消費され,その結果,著しい出血傾向が出現するDIC(disseminated intravascular coagulation)はdefibrination syndrome,ICF症候群(intravascular coagulation with fibrinolysis syndrome)等と呼ばれ,各科領域で注目されている.整形外科領域でもDIC症候群はそれ程稀なものとは思えないが,なお多くの報告はなされていない.本文の目的は,経過中DICを起こした2例の転移性骨腫瘍例を報告し,DICの概念や診断治療法の要約を試みることである.
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