今月の主題 カルシウム・骨代謝異常症と骨粗鬆症
くる病・骨軟化症
腫瘍性骨軟化症
宮内 章光
1
1国立療養所兵庫中央病院内科
pp.1038-1041
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906847
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ポイント
●腫瘍性骨軟化症(oncogenic osteomalaciaまたはtumor induced osteomalacia)とは,腫瘍〔骨,軟部腫瘍(中胚葉由来が多い)〕によりビタミンD抵抗性骨軟化症が発現する疾患である.
●腫瘍の摘出により低リン血症,骨軟化症が治癒する特徴をもつ.本邦,欧米を含め100余例の報告があり,骨,軟部腫瘍以外にも肺癌,前立腺癌などによるものが報告されている.
●腫瘍から産生される液性因子により,リン利尿,ビタミンD活性化抑制が起こると考えられている.このリン利尿物質は未同定であるがphosphatoninと命名されており,X連鎖性低リン血性くる病(XLH)と同一の原因物質であるという仮説が有力である.
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