発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014042069
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症例は63歳女性で、PET検診にて左上腕骨骨幹部集積を指摘されたが、嚢胞性病変として経過観察されていた。2011年に全身痛が出現し、多発転移性骨腫瘍を疑われた。MRIではTI強調画像で低信号、T2強調画像で高信号で、冠状断像で液面形成を認め、Gd造影像で辺縁のみ造影される多房性の腫瘍を認めた。全身静脈血サンプリングを施行したところ、原因腫瘍は左上腕骨の腫瘍性病変とわかり、腫瘍広範切除と有茎液体窒素処理自家骨移植を計画した。病理組織所見は多核巨細胞や微小石灰化を認め、腫瘍性骨軟化症に典型的な病理所見phosphaturic mesenchymal tumorであった。術後約一週間で、IP値及び全身痛の改善を認め、術後8ヵ月の現在も腫瘍の再発なく、血清リン値も正常値であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013