今月の主題 カルシウム・骨代謝異常症と骨粗鬆症
高カルシウム血症
悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症
池田 恭治
1
1国立長寿医療研究センター老年病研究部
pp.1002-1005
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906837
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●高Ca血症は進行期の悪性腫瘍に合併し,一般に予後不良のサインである.
●液性因子を介するHHM(humoral hypercalcemia of malignancy)と,局所機序によるLOH(local osteolytic hypercalcemia)の2つの病型がある.
●HHMの大部分は腫瘍が産生するPTHrPの過剰症であり,高Ca血症,低P血症,血中PTHrPの上昇が特徴である.扁平上皮癌やATLに合併することが多い.
●LOHは多発性骨髄腫や広範な骨転移を伴う乳癌に合併してみられる.
●HHMとLOH,いずれの場合にも,生理食塩水の大量補液とビスフォスフォネート薬などの骨吸収抑制薬が治療の基本である.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.