今月の主題 カルシウム・骨代謝異常症と骨粗鬆症
カルシウム・骨代謝異常症理解のための基礎知識
骨の構造と骨代謝の調節系
川口 浩
1
1東京大学医学部整形外科
pp.982-984
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906831
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ポイント
●骨は,皮質骨と海綿骨という構造的に異なった2つの組織によって形づくられており,皮質骨ではオステオン,海綿骨ではパケットと呼ばれる局所的機能単位(basic multicellular unit:BMU)の下で,常に破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成を繰り返している(リモデリング).
●健常成人では,この骨吸収と骨形成との間に共役関係が存在し(カップリング),その結果,両過程間に動的平衡状態が保たれることにより骨量が一定に維持されている.この共役機構の解明が,各種の代謝性骨疾患における骨代謝動態の異常を明らかにし,病態を解明していくうえで重要な意味をもつことから,これを制御する諸因子の解析が急速に進められてきた.
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