今月の主題 カルシウム代謝と骨
カルシウム・骨代謝の調節系
骨代謝の調節因子
佐藤 幹二
1
1東京女子医科大学・内分泌疾患総合医療センター
pp.1486-1490
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221823
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骨組織はたえず骨吸収と骨形成を営んでおり,活発に新陳代謝を行っている臓器である.骨形成は骨原性細胞(osteoprogenitor cell)由来の骨芽細胞(osteoblast)によって行われ,骨吸収は造血細胞(hematopoietic cell)由来と考えられる破骨細胞(osteoclast)によって行われている(図1).骨代謝はこのように全く素性を異にする細胞によって行われているにもかかわらず,正常人では骨吸収量と骨形成量はほぼ等しい.このことは骨代謝がさまざまの骨代謝調節因子によって巧みにコントロールされていることを示唆している.本稿では続々と明らかにされつつある骨代謝調節因子の中から(表),臨床的に関連の深いものについて紹介したい.
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