今月の臨床 婦人科医のためのオステオポローシス
定義・疫学
2.骨の構造と代謝
板橋 明
1
1埼玉医科人学第四内科
pp.1073-1075
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901867
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骨の構造
骨組織は身体を支え,運動の基軸となり,脳や内臓諸臓器を保護するという支持組織としての機能を持つ.加えて,骨組織はカルシウムの貯蔵庫であり,約1kgのカルシウムを蓄え,カルシウム調節ホルモンの作用を受けてカルシウムイオン濃度の調節に重要な役割を担う.また,骨髄を擁し,血液系細胞の生成に関与している.
骨組織の構造としては,長管骨骨幹部に見られるような皮質骨(cortical bone)が全体の80%以上を占め,非常に密な構造をとっていることから,別名緻密骨(compact bone)とも呼ばれる.皮質骨はオステオンといわれる同心円状の円柱が無数に合わさって構成されており,オステオンの中心にはHavers管といわれる血管が貫いている.一方,椎体や長管骨の骨幹端部などは海綿骨(trabecular bone,cancellous bone)といわれる構造が多くなり,薄い隔壁(trabecular plate)で仕切られた海綿状の構造を呈し,隔壁は骨髄と直接接している.
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