今月の主題 骨代謝マーカー
話題
代謝性骨疾患とカルシウム調節ホルモン
五十嵐 徹也
1
Tetsuya IGARASHI
1
1東京大学医学部附属病院分院第4内科
キーワード:
副甲状腺機能亢進症
,
骨粗鬆症
,
副甲状腺ホルモン
,
ビタミンD
,
エストロゲン
Keyword:
副甲状腺機能亢進症
,
骨粗鬆症
,
副甲状腺ホルモン
,
ビタミンD
,
エストロゲン
pp.192-195
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903650
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1.はじめに
生体のカルシウム(Ca)代謝を大きく調節しているのは,副甲状腺ホルモン(PTH)と活性型ビタミンD (1,25D)の2大ホルモンである.このほかに哺乳類では,その生理的機能が明確ではないがカルシトニンがあり,これら3つが古典的なカルシウム調節ホルモンということができよう.これらのホルモンがどんな役割を果たしているかは数々の基礎的研究によって明らかにされているが,臨床的にも過剰症,欠乏症,受容体機能欠損症,受容体機能過剰症などから証明されている.最近は,これらのホルモンの作用機序や異常症の病態が受容体分子のレベルで明らかにされてきていること,ホルモン作用と密接に関係する局所因子の関与がわかってきていること,さらにいわゆる古典的カルシウム調節ホルモン以外のホルモン,特にエストロゲンについての研究が著しく進んだことなどが主な話題になっている.
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