増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
脂質・リポ蛋白
脂質・リポ蛋白代謝のメカニズム
疋田 稔
1
,
武城 英明
1
,
齋藤 康
1
1千葉大学医学部第2内科
pp.366-369
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906384
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リポ蛋白の構造と特性
生体の血清脂質には,主に中性脂肪(triglycerides:TG),コレステロール(cholesterol),リン脂質(phospholipids:PL),脂肪酸が存在し,コレステロールはさらに,遊離コレステロール(free cholesterol:FC)と脂肪酸と結合したコレステロールエステル(cholesteryl ester:CE)に分けられる.脂質の特徴は疎水性であり,なかでもTGとCEは非極性脂質と呼ばれ不溶性である.生体ではTGとCEを核として,極性物質であるPL,FCが表面を取り囲み,さらにその表面に蛋白質(アポ蛋白)が存在する球状粒子(リポ蛋白)として血清中に存在する.
血中リポ蛋白は脂質組成・含有量やアポ蛋白の違いなどにより5種類に大別され,その基本的性状の違いは比重に反映される.
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