Japanese
English
講座 病態を中心とした生化学(2)
動脈硬化―リポ蛋白,血管壁脂質代謝との関係
Atherogenic Lipoprotein and Atherosclerosis.
田中 明
1
,
前沢 秀憲
1
Akira Tanaka
1
,
Hidenori Maezawa
1
1東京医科歯科大学医学部第三内科
1The Third Department of Internal Medicine, School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University.
キーワード:
動脈硬化
,
リポ蛋白
,
脂質代謝異常
Keyword:
動脈硬化
,
リポ蛋白
,
脂質代謝異常
pp.627-633
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106109
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はじめに
動脈硬化性疾患発症の主な危険因子としては,肥満,脂質代謝異常,高血圧,糖尿病などが知られている.このうち,肥満,高血圧,糖尿病については,他の回に詳しく取りあげられるので,今回は動脈硬化と脂質代謝異常を中心に述べる.
近年の脂質代謝異常に関する研究の進歩は著しく,分子レベルで研究されており,脂質代謝異常による動脈硬化発症メカニズムも次第に解明されつつある.
今回は,まず脂質代謝異常は動脈硬化を発症させるか,そして,脂質代謝異常の治療により動脈硬化発症は減少するか,について疫学的な検討をし,脂質代謝異常と動脈硬化との関係を示す.次に,正常の脂質代謝を述べ,動脈硬化を発症する原因となる脂質代謝異常と,その異常を生じるメカニズムを概説する.
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