特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査
1 リポ蛋白代謝
リポ蛋白代謝
秦 葭哉
1
Yoshiya HATA
1
1慶応義塾大学医学部内科
pp.1255-1272
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917507
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はじめに
ヒトの血液中には,健常者で約15gの脂質が含まれている.脂質の種類は,コレステロール,リン脂質,トリグリセライド(トリアシルグリセロール),遊離脂肪酸である.
脂質は,本来水に溶けず,血清にも血漿にもそのものとしては不溶である.しかし,血中の脂質は,アポ蛋白と呼ばれる総量約7gの特定の蛋白質に表面を覆われた微小粒子を形成することで,血清に可溶化されている.血清中で脂質とアポ蛋白が複合し,偽ミセル(pseudomicelle)の形をとった微粒子が血清リポ蛋白である.
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