けんさ—私の経験
ALP,γ-GTPの異常変動と胆道系腫瘍
辻 靖
1
1国家公務員共済組合連合会斗南病院消化器内科
pp.247
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906331
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ALPおよびγ-GTPは胆道系酵素で,閉塞性黄疸など胆汁のうっ滞時に上昇する.黄疸を全く認めなくても,正常値から軽度の異常値の間を変動するようなときには,胆道系腫瘍の存在を疑う必要がある.
症例は65歳,男性.ALP,γ-GTP軽度高値のため腹部超音波検査を行ったところB2胆管の拡張を認め,精査の結果,径1.8cmの肝内胆管癌を認めた.血液生化学検査の異常値はALP,γ-GTPのみで,過去2年間の3カ月ごとの値はそれぞれ318→357→442→343→414→378→435→376IU/l,48→56→36→72→109→80→108→109IU/lと,変動しながらもやや漸増傾向にあった.
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