異常値・異常反応の出た時・37
γ-GTP
上野 幸久
1
,
遠藤 了一
2
1三宿病院
2三宿病院研究検査課
pp.38-42
発行日 1976年1月15日
Published Date 1976/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909239
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血清γ-GTP (γ-glutamyl transpeptidase)の活性値測定は,1960年Goldberg1),1962年Orlowski2)らが肝疾患を中心に,本酵素の有用性を報告して以来,漸次臨床に応用されるようになり,我が国でもここ数年間に著しく普及するようになった.近年肝・胆道疾患の診断にICD,グアナーゼOCTなどいろいろな酵素が,特異性,鋭敏度などにおいて優れたものとして有用性を提唱されてきたものの,測定法の簡易さ,試薬の価格その他に難点があったり,診断的価値についても当初いわれたほどにはGOTやGPTより勝っているとはいい難いために,ルーチン検査法として普及するに至っていない.
これに反し,γ-GTPは後述するごとく,アルコール性肝障害に著しく上昇するなど,従来の諸酵素にみられない特異な面をもち,測定法も難しくなく,再現性も良好で,中央検査室で容易に実施可能であるため,広く普及するようになった.
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