検査データを考える
γ-GTP(GGT)とALPの乖離例
池田 斉
1
1埼玉医科大学総合医療センター中央検査部
pp.145-147
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905736
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はじめに
γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)とALP(アルカリホスファターゼ)は,肝・胆道系の閉塞性障害のマーカーとして利用されることが一般的である.両者は胆道閉塞,胆汁うっ滞性肝障害,肝癌などで上昇する.しかし,γ-GTPはアルコールで誘導されるため,ALPとは別の挙動を示す場合も多い.一方,ALPは肝臓のほか,骨,胎盤,小腸由来のものがあり,通常5種類のアイソザイムが存在することが知られている.したがって,それらの臓器に異常のある場合,それぞれの病態を反映してALPのみが増加しγ-GTPは正常である場合がある.
以下,実際の症例を紹介しながら記述する.
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