増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
蛋白
Bence Jones蛋白
大谷 英樹
1
1北里大学医学部臨床病理学
pp.218-219
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906316
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
免疫グロブリンフラグメントの一つであるベンスジョーンズ蛋白(Bence Jones protein:BJP)は,通常二量体として存在し,分子量は44,000と小さいため血中のBJPは糸球体から容易に濾過され尿中に排泄される.したがって,BJPは血清よりも尿のほうが証明しやすい.
BJPは単一のL鎖からなるので,単一クローン性L鎖(monoclonal light-chain)とも呼ばれ,免疫グロブリンと同様に2つの型に区別される.すなわち,BJP-κとBJP-λである.一方,構造上多少異なった数多くのL鎖からなる多クローン性(polyclonal)L鎖があり,BJPとは免疫電気泳動により区別しうるが,両者の鑑別には注意を要する.
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