増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
蛋白
オリゴクロナルバンド
櫻林 郁之介
1
,
藤井 英治
2
,
実方 和宏
2
1自治医科大学附属大宮医療センター検査部
2(株)エスアールエル
pp.220-221
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906317
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
オリゴクロナルバンド(oligoclonal bands:OB)は,髄液中に検出される免疫グロブリンである,含まれる成分がほとんどimmunoglobulin G(IgG)であることが多く,ポリクロナルなIgGとは区別されている.中枢神経系内に存在する2つ以上の形質細胞によって産生され,IgGの多様性に制限があることを意味している.
多発性硬化症(MS)や中枢神経系の感染症では,髄液中:脳血液関門(BBB)の免疫グロブリンが増加し,BBBでの抗体産生を反映するが疾患特異性は低いと考えられる.手技的には,髄液蛋白のアガロースゲル電気泳動法でγ分画に1から数本の不連続な異常バンドとして認められる.
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