増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
内科研修医が実施すべき基本的検査手技
血液塗抹標本(Wright-Giemsa染色)
土屋 達行
1
1日本大学医学部臨床病理学教室
pp.35-37
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906243
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血液塗抹標本の作製,観察は医師自ら行う必要がある.その理由は,血液塗抹標本の観察は,ほとんどの血液疾患において確定診断を得ることができるし,白血球数,血小板数の概数の推定まで可能であること,また,血液疾患以外の疾患でも,赤血球,白血球,血小板の異常がしばしば認められるので,塗抹標本の注意深い観察により,血液疾患以外の診断や病態の理解に役立つ有用な情報を容易に得ることができる1)画像診断だからである.
現在,白血球分画は,ほとんどの施設で自動血球計数器で行われており,末梢血における白血球の種類の分布は数値として簡単に得ることができるが,血液塗抹標本の観察は,血球の数,種類以外の形態の変化などをはじめ,種々の情報を容易に得ることができる優れた各種病態のスクリーニング検査法である.
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