増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
内科研修医が実施すべき基本的検査手技
塗抹検査
喜舎場 朝和
1
1沖縄県立中部病院内科
pp.38-39
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906244
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細菌感染によると思われる発熱患者に適切な治療を施すには,できるだけ正確な診断が先行しなければならない.病状の悪い患者を目前に,手をこまねいて培養結果を待つわけにもいかない一方,鑑別診断を絞らずに,性急に広域スペクトル抗菌薬を投与する傾向は戒められなければならない.
診断方法として,問診・診察・スクリーニング的検査が重要であることはいうまでもない.これらのデータから,まず感染病巣を特定し,その部位から検体を採取するように努め,その検体について細菌学的検査を進める.これには大別して塗抹検査と培養検査がある.培養が最も重要な検査であることはいうまでもないが,その結果を得るのに少なくとも2〜3日を要する.早期に起炎菌に対するめどをつけるために,塗抹検査を用いる理由がここにある1,2).これは発熱患者の“診察の一部”と考えたい.
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