増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣
第2章 血液 骨髄塗抹標本の見かた
3.骨髄塗抹標本の染色法
骨髄塗抹標本の染色法
清水 長子
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.1028-1030
発行日 2004年9月15日
Published Date 2004/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100781
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
骨髄の血球形態の詳細な観察には,普通染色法〔ロマノフスキー染色(Romanowsky stain)〕を正しく行うことが基本であり,骨髄塗抹標本作製時には最低10枚ほどの標本を作製しておくのが望ましい.3~4枚をロマノフスキー染色に使用し,残りの標本は特殊染色に用いる.
骨髄の普通染色法には二重染色であるライト・ギムザ染色(Wright-Giemsa stain)またはパッペンハイム染色(Pappenheim stain)〔メイ・グリュンワルド・ギムザ染色(May-Grunwald-Giemsa stain)〕法を用い,細胞数の多い標本では染色時間を長めにするとよい(図1).まず最初に普通染色法の観察により,細胞分布,細胞形態異常のチェックを行い,異常が認められれば,次のステップとして形態学的特徴を検索するために目的に応じた特殊染色(細胞化学染色,免疫組織染色)を行う.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.