知っておきたい検査機器
自動染色装置—血液塗抹標本
野本 幸雄
1
,
服部 理男
2
1埼玉県立がんセンター臨床検査部
2埼玉県立がんセンター病院
pp.893-895
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202382
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自動染色装置とは,塗抹標本の染色,水洗,乾燥を自動的に行う機器である.従来行われた用手法の染色では,毎回染色液を調整する不便ばかりでなく,良い標本と悪い標本を作製してしまうことが不可避である.その点,この種の装置を使用すれば,誰にでも平均的な染色標本を作製することができる利点がある.ただし,最良の標本は熟練した個人が微妙なコツを会得して手染めを行うことによって得られることはいうまでもない.したがって,この種の機械は平均的規格化された染色を大量の検体に施すための装置である.また一部,自動血球分類装置の染色機としても使用されているものがある.そのような装置は白血球分類,赤血球の形態,およその血小板数,更に機種によっては網状赤血球まで自動的に測定する機能を備えている.
現在,数機種の自動染色装置(表1)が市販されているが,その中で方式の異なる二つの機種,ヘマテックIIスライドステイナーとサクラRSG-50を中心に概要を説明する.
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