増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
内科研修医が実施すべき基本的検査手技
ドライケミストリー
田口 和三
1
,
高木 康
1
1昭和大学医学部臨床病理
pp.32-34
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906241
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ドライケミストリーは,「乾燥状態または外観上乾燥した状態で保存された試薬が,測定時に液状検体を添加されることにより,試薬が含まれるマトリックスにおいて化学反応が進行する検査法」と定義される検査法である.
ドライケミストリーは,1956年にComer,Freeらが尿糖測定用の試験紙を開発したことに始まり,その後尿中微量物質の多くが測定可能な多項目試験紙が開発された.しかし,これらは多くが定性あるいは半定量分析であり,試験紙による定量分析には限界があると考えられていた.しかし,試験紙による色調の変化を簡単な比色計を用いて測定する簡易血糖測定器が開発されて以来,定量性に優れたドライケミストリーによる分析法が続々開発された.そして,現在では血中の多くの成分が液状試薬を用いる日常的な分析法とほぼ同等な精度で,定量的に分析可能となり,医療に利用されている.
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