マスターしよう基本操作
血液薄層塗抹普通染色標本の作り方
野村 武夫
1
1東京医歯大・第1内科
pp.41-45
発行日 1973年12月1日
Published Date 1973/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200319
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血液塗抹標本は多数の情報を提供してくれる.たとえば,通常の薄層普通染色標本1枚を鏡検して,赤血球形態,血小板の多寡と形態,そして白血球の概数,百分比と個々の形態を観察することによって診断上重要な手がかりが得られ,また,治療効果の判定資料として役だてることができる.さらに必要に応じて特殊染色を施し,あるいは濃塗標本を作って検査すれば,それぞれ有用な情報の入手が可能である.
簡便に実施でき,しかも臨床上これほど利用価値の高い検査法は他にあまり例がないが,これは,よい標本について検査した場合に初めていえる事柄である.できの悪い標本からは,どんな熟練者でも十分な情報を得られないであろうし,ときには誤った判断を下す結果にもなのかねない.
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