今月の主題 高齢者医療—現状と展望
高齢者によくみられる疾患
肺炎
板橋 繁
1
,
佐々木 英忠
2
1塩竃市立病院呼吸器科
2東北大学大学院医学系研究科内科病態学/呼吸器病態学分野
pp.783-785
発行日 1999年5月10日
Published Date 1999/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906026
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●高齢者の肺炎は慢性呼吸器疾患を基礎疾患として有していることが多く,その形態的・機能的な局所の変化に全身的な免疫系の機能低下が加わり,重症化しやすい.
●高齢者では,肺炎特有の症状が顕著に現れないことがある.特に院内肺炎では,浮腫,消化器症状,不整脈,傾眠傾向といった呼吸器以外の症状が前面に出てしまうケースがある.
●市中肺炎ではグラム陽性球菌を,院内肺炎や既に抗生剤が投与されている例ではグラム陰性桿菌を狙ってempiric therapy(経験的投与)を行う.誤嚥性肺炎では嫌気性菌も念頭に置いて行う.
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