増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
循環器疾患治療薬
不整脈治療薬
アンカロン(大正)
副島 京子
1
,
小川 聡
1
1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
pp.64-65
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905430
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臨床薬理
●作用機序:冠動脈拡張薬としてヨーロッパで開発された.アミオダロンはⅢ群作用に加えてINa阻害作用(Ⅰ群),β阻害作用(Ⅱ群),ICa阻害作用をも併せもつ.またthyroxineの心臓への作用を予防する.INa阻害は不活性化チャネルに特異的なため,活動電位持続時間の長い組織,脱分極している組織,心拍数の早いときに最も強く現れる.アミオダロンはIksを主にブロックする.これは他のⅢ群薬にはみられない特徴で,活動電位持続時間の延長を早い心拍数時にも備えていることはこのことによる可能性がある.
●吸収・分布・代謝・排泄:13〜103日と非常に長い半減期をもつ.血中濃度が上がるまでに数週間かかり,薬効評価には時間を要する.
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