Drug Information 副作用情報・3
薬剤性ショック(2)—重篤な症例の紹介
浜 六郎
1
1阪南中央病院内科
pp.1221-1223
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905161
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筆者が経験した症例,あるいは裁判に関係した重篤な症例を報告する.
◆ビタミンK製剤によるアナフィラキシー型ショック1
【症例1】 21歳,男性.サバ,夏みかんによる蕁麻疹のアレルギー歴がある.大腿骨骨折後の抜釘のため,乳酸加リンゲル液TRにケーワン®(フィトナジオン)30mg,ビスコリン®(ビタミンC)を混入したものを術前輸液として点滴を開始.その直後より,点滴側の上腕から胸部,喉頭部,顔面の順に焼けつくような感じがし,次いで「胸が苦しい」と訴えたため,ナースが抜去して点滴を中止(時間にして,2〜3分間).0.5mg程度のケーワンが注入されたものと考えられた.ただちに医師が呼ばれ,3名の医師が駆けつけたとき(約5〜10分後程度)には,強い呼吸困難,口唇浮腫,著明なチアノーゼが出現し(全身が真っ黒という感じがした),脈は触知不能,血圧測定不能であった.
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