Japanese
English
特集 診療における薬理遺伝学検査の社会実装に向けて
HLA検査による重篤副作用の回避
HLA genotyping to prevent serious adverse drug reactions
中村 亮介
1
,
塚越 絵里
1
,
斎藤 嘉朗
1
Ryosuke NAKAMURA
1
,
Eri TSUKAGOSHI
1
,
Yoshiro SAITO
1
1国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部
キーワード:
ヒト白血球抗原(HLA)
,
重症薬疹
,
ジェノタイピング
,
特異体質性副作用(IDR)
Keyword:
ヒト白血球抗原(HLA)
,
重症薬疹
,
ジェノタイピング
,
特異体質性副作用(IDR)
pp.705-711
発行日 2022年11月12日
Published Date 2022/11/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28307705
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スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)/中毒性表皮壊死症(TEN),薬剤性過敏症症候群(DIHS),薬物性肝障害(DILI)などは,代表的な特異体質性副作用(IDR)として知られ,まれではあるが重篤な副作用として問題になっている.これら重篤副作用の発症には,薬剤特異的なヒト白血球抗原(HLA)型が関連していることから,免疫系の関与が強く示唆されている.特に,カルバマゼピンやアバカビルによる重症薬疹の発症と関連するHLA-B*15:02やB*57:01については,海外ではこれらの医薬品の投与前の薬理遺伝学検査が推奨されている例が多く,検査費用が保険償還されている国もある.本稿では,主なIDR発症関連HLA,およびその発症メカニズムにおける役割について述べるとともに,より安価で簡便なジェノタイピング技術の開発についての最近の取り組みなどを紹介し,投薬前HLA検査の意義と将来性について考える.
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