カラーグラフ 塗抹標本をよく見よう・6
血小板の異常・1
久保西 一郎
1
,
藤田 智代
2
,
浜田 恭子
3
,
高橋 功
4
,
三好 勇夫
1
1高知医科大学第3内科
2高知医科大学附属病院中央検査部
3高知県立中央病院血液検査科
4高知県立中央病院内科
pp.1199-1202
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905157
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正常血小板
止血に重要な働きをする血小板の大きさは,約2〜3ミクロンである.核を持たないが,中心部に赤紫色に染色される粒子(chromomere)を有するので,末梢血塗抹標本では,図1に示すように,赤血球の間に赤い色をした小さな細胞として観察される(矢印).その数は約15〜35×104/mm3.塗抹標本で赤血球を15〜30個数えるうちに,血小板1個に出会うくらいの勘定になる.
特発性血小板減少性紫斑病
図2は,特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura:ITP)の塗抹標本である.この標本では,図1で認められた血小板が全く認められない.図3も同じ患者の標本である.好中球が中心に認められているが血小板はない.本患者においては出血傾向(点状出血と紫斑)が認められ,血小板数は1.5×104/mm3と極端に減少していた.
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