カラーグラフ 塗抹標本をよく見よう・8
リンパ球の異常・1
久保西 一郎
1
,
藤田 智代
2
,
浜田 恭子
3
,
高橋 功
4
,
三好 勇夫
1
1高知医科大学第3内科
2高知医科大学附属病院中央検査部
3高知県立中央病院血液検査科
4高知県立中央病院内科
pp.1593-1596
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905242
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正常リンパ球
図1は,末梢血塗抹標本で見られる正常リンパ球である.図1aは小型リンパ球,図1bは大型リンパ球をそれぞれ示している.リンパ球は末梢血白血球の分類上,約30〜40%をしめる.正常人の白血球数を4,000〜8,000/mm3とすると,その絶対数は約1,200〜3,200/mm3くらいとなる.末梢血中のリンパ球の大部分(75〜80%)はTリンパ球で,15〜20%はBリンパ球と考えられている.残りの約5%はTでもないBでもない,いわゆるnon T/non B(null cell)タイプのリンパ球と考えられている.このnon T/non Bリンパ球は,図1bで示した大型で細胞質の中に顆粒を有する細胞(large granular lymphocyte)で,naturalkiller活性を持っていると考えられている.図1bをよく見るとazur顆粒があるのだが,分かっていただけるだろうか.
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