知っておきたい産科婦人科の疾患と知識・8
薬剤と月経異常
田中 雄一郎
1
,
松 敬文
1
,
宮川 勇生
1
1大分医科大学産科婦人科学
pp.795-798
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905074
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日常の診療で投与されている薬剤が,視床下部-下垂体-卵巣系の内分泌機能に影響を与え,月経異常を生じることがある.なかでもプロラクチンの分泌を促進する薬剤の服用では,しばしば月経異常となる.
高プロラクチン血症を起こす薬剤には,神経症,うつ病,精神分裂病などの治療に用いられる中枢に作用する抗精神・神経薬だけでなく,降圧剤や抗胃潰瘍薬として広く用いられて,中枢とは直接関係がないと思われがちなものもあり注意を要する.殊に,高プロラクチン血症を生じやすいスルピリド剤(ドグマチール®)は,精神科領域のほかに抗胃潰瘍薬として内科,外科領域でも広く用いられている薬剤であり,月経異常を起こしやすい.
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