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ホモシステインと冠動脈硬化
髙橋 伯夫
1
1関西医科大学臨床検査医学
pp.149-151
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101337
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動脈硬化症に関係する検査指標としてホモシステイン(homocysteine;Hcy)が注目を集めている.Hcyは動脈硬化の原因なのか結果なのかが論争されてきたが,現在では,その血管内皮細胞傷害作用,血管平滑筋細胞増殖作用,血管壁での凝固促進活性などから積極的な動脈硬化の促進因子で血栓形成に直接関与する独立した危険因子であることが明らかにされている.
Brattstromら1)が1984年に高Hcy血症が脳血管障害の危険因子であると報告して以来注目を集め,数多くの動脈硬化と関係する研究成果が発表されている.Medlineでhomocysteineとatherosclerosisとをキーワードにして文献検索すると既に833もの論文が出版されている.脳梗塞,心筋梗塞,閉塞性動脈硬化症,深部静脈血栓症と血中Hcy濃度とが有意の関係を有し,独立した危険因子であることが統計学的に証明されている(図1).また,Ⅱ型糖尿病患者では血中Hcy濃度は非糖尿病群より低値ながら,より強い動脈硬化危険因子であるともされており,他の危険因子と相乗作用を示す可能性が指摘されている.特に,一過性脳虚血発作や脳梗塞患者でHcyとの関係を検討したわが国での研究成果では血中Hcy濃度が高値群では対照群と比較して5.8倍のリスク増大を認めている2).
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