Drug Information 副作用情報・21
薬剤性血液障害(2)—白血球減少・無顆粒球症(その2)
浜 六郎
1
1医薬ビジランスセンターJIP
pp.2447-2450
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904875
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5.抗癌剤系免疫抑制剤(前号より続く)
もともと抗癌剤として有名なメトトレキサートやイムラン®などが免疫抑制剤として使用される場合,医師にも薬剤師にも「もとは抗癌剤」という知識も認識もしっかりとある.だから,抗癌剤としての副作用が生じないかどうかを慎重に観察し,相互作用についても注意が行き届き,かえって安全である.しかし,グスペリムス,ブレディニン®,サンディミュン®など,最初から免疫抑制剤として登場してきた薬剤の場合に,「投与量を増やせば抗癌剤と同じ」「抗癌剤としての性質がある」ので「骨髄抑制を生じやすい」というような認識があるだろうか.特に,ブレディニン®などは,カルフェニール®やペニシラミンなどと同じDMARDSのなかに分類している文献もあるくらいだから,整形外科医の間にも,そのような認識がきちんと浸透しているかどうか問題である.もしも,ソリブジンの場合のように,抗癌剤の代謝に不可逆的に拮抗するような薬剤が導入されたら,たちまちのうちに抗癌剤としての性質を発揮し,多数の死亡者を出す危険性さえある.
もともとの物質の性質をよく認識して,白血球減少などの副作用の危険性があること,そのとき出現しうるので注意しておかなければならない症状は「これこれだ」ということを,口頭だけでなく,文書で提供することはとりわけ重要である.
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