今月の主題 内分泌疾患—今日の知識
治療
抗甲状腺剤による無顆粒球症
柴芝 良昌
1
Yoshimasa SHISHIBA
1
1虎の門病院・内分泌代謝科
pp.54-56
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217588
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甲状腺機能亢進症は,現在,抗甲状腺剤によって治療するのが最も普通に行われているが,残念ながら,抗甲状腺剤によって治療された甲状腺機能亢進症1,000人に2〜3人に無顆粒球症を生ずることがある.無顆粒球症自体は重篤な合併症で,薬剤を直ちに中止し適切な治療が行われれば,1〜2週間で完全に回復しうるが,もし無顆粒球症の存在に気付かれずに服薬を続けたり,適切な治療がなされなければ,今日でも死亡率の高い疾患である.そこで無顆粒球症について,現在の知見をまとめておきたい.
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