増刊号 内科医のMRIとのつきあいかた
MRIの新しいテクノロジー
MRAの画質改良と新しい領域
水内 宣夫
1
,
滝沢 修
1
1シーメンス旭メディテック(株)
pp.335-341
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904787
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MRA技術の現状と問題点
MR angiography(磁気共鳴血管撮像法:MRA)は,動いているもの(血液)と静止している組織とを区別し,動いているものだけを画像化する技術である1).MRAでは,血管の壁を画像化しているのではなく血管内の血液とその流れを見ている.したがって,MRAの信号強度は血流の特性を反映しており,血管内の乱流のような複雑な動きによって信号のロスが起きたり,血流の信号が低下していることなどが知られている.このような血流信号の低下に対して,撮像方法を決めるパルスシーケンスや撮像条件など技術的な改良が進められている.
一方,MRAを頭部以外の領域へ応用するためには,呼吸や心拍動による動きの問題を克服する必要がある.また,異なった速さの流れに対して,血流信号をできるだけコントラストよく収集する必要がある.これらのために,心電図同期法や,部位によっては呼吸停止法や呼吸同期法さらには高速スキャン法が利用されている.
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