論述
新しく改良を加えたBone Cement(MMA-TBB)
飯田 勝
1
,
古屋 光太郎
1
,
河内 貞臣
1
,
樽見 二郎
2
Masaru IIDA
1
1東京医科歯科大学医学部整形外科学教室
2東京医科歯科大学医用器材研究所有機部
pp.109-117
発行日 1973年2月25日
Published Date 1973/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904801
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現在Bone Cementとして使用されているacrylic cementは優秀な固定力と生体におよぼす影響の少ないことにより,Charnley1,2,3)はじめ多くの人により関節置換術に広く応用されつつある.その歴史は1890年Glückがはじめてドイツ外科学会においてcolophony resin pumice powder plasterよりなるcementで象牙製の球関節を股関節と固定する考えを発表したことに始まる.その後1940年にZander30)が人の頭蓋骨の欠損部に始めてacrylic cementを使用し,以来脳外科領域では広く用いられ,最近のCabanelaら31)の報告によれば組織障害のないことが判明している.整形外科領域では1951年にHaboush6)がはじめて人工股関節に使用して以来,Henrichsen7)さらにWiltseら29)が実験的にacrylic cementの組織反応の少いこと,体重圧にも充分耐え得ることを証明し,臨床応用の基礎を築いた.しかし同時にacrylic cement使用上の不安と危惧もこの時以来すでに述べられている.
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