増刊号 内科医のMRIとのつきあいかた
MRIの新しいテクノロジー
MRCP,MR urography
原留 弘樹
1
,
市川 智章
1
,
蜂屋 順一
2
1杏林大学医学部放射線科
2山梨医科大学放射線科
pp.343-350
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904788
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従来,胆道膵管系や尿路系における画像診断法としては,US,CT,ERCP,DIPなどが主として用いられてきたが,これらの上下方向に広がる解剖学的な特徴のため,横断像によるMRI検査はあまり力を発揮しなかった.しかし,近年のMRI装置のハードウェア,ソフトウェア双方の急速な進歩は,呼吸停止下に,水だけを選択的に高信号にする強いT2強調像(水強調像)を得ることを可能にし,このような水強調像を用いて胆道膵管系や尿路系を含んだ撮像を行うと,横断像では得られない多くの情報をもつイメージを作ることができる.またこれらの両像は,まるでERCPやDIPに似た画像であることから,MRCP(MR cholangiopancreatography),MR urographyと呼ばれ,造影剤を用いない非侵襲的な検査法として現在では広く臨床応用されるようになってきている.
本稿では,はじめにこれら検査法の撮像法,利点,欠点などにふれ,次に筆者らの施設の症例をもとに代表的な臨床応用例について概説する.
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