増刊号 内科医のMRIとのつきあいかた
MRIで何がわかるか
頭部
脱髄性疾患
岩崎 聖
1
,
村田 顕也
2
,
田岡 俊昭
3
1星ヶ丘厚生年金病院放射線科
2奈良県立医科大学神経内科
3奈良県立奈良病院放射線科
pp.135-148
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904767
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脱髄性疾患は,MRIのT2強調像で高信号領域として非常に鋭敏に検出できるようになった.この高信号の病理は,いわゆる脱髄(髄鞘の脱落に比べて相対的に軸索が残っている状態)だけでなく,髄鞘の淡明化(pallor of myelin),線維性gliosisとか海綿状病巣などからなる白質病変で,さまざまなカテゴリーの疾患を含んでいる1).これら多彩な疾患の鑑別診断には,病変の形,分布,造影剤増強効果,時間的な推移,あるいは白質病変以外の画像所見などを手がかりにはするものの,多くの場合は画像以外の情報が不可欠である.
本稿では,MRIを依頼し,読影する際に参考になる事項を,白質病変の画像診断の方法,髄鞘形成不全性疾患,および髄鞘破壊性疾患に分けて述べる.
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