今月の主題 白血病—日常の診療に必要な知識
補助療法・一般管理・QOL
QOLを考慮した外泊・退院のタイミングと退院後の管理
許 泰一
1
1広島赤十字・原爆病院第4内科
pp.1160-1162
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904562
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ポイント
●人口の高齢化により白血病患者が増加する一方,寛解導入療法の治療成績が向上したため,外来診療を受ける症例も増加している.
●寛解導入療法,強化療法を一回の入院で終えさせる場合,入院が長期化する.闘病意欲を維持させるためにも頻回に外泊させ,精神的にリフレッシュする必要がある.
●外来で化学療法を実施し,顆粒球減少期のみ簡易無菌室に入院させる.闘病意欲の持続と簡易無菌室の有効利用がはかれる.外来でも赤血球,血小板輸血を行い,入退院をスムーズに行う体制が必要である.
●完全寛解ですべての化学療法終了後,3年間は1カ月に1回外来診療を受ける.身体的に制限のないことが多く,積極的に社会復帰を勧める.
●高齢者の外来診療が増加している.合併症の管理や食欲低下による低カリウム血症に気をつける.
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