日常診療に必要なHIV感染の知識・1【新連載】
HIV感染症/AIDSの疫学情報—最近の動向
鎌倉 光宏
1
,
桜井 賢樹
2
1慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室
2国立国際医療センターAIDS医療情報室
pp.785-789
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904478
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世界に2,260万人と推算されるHIVキャリア(生存AIDS患者を含む)の存在と,報告されているだけで150万人を超えるAIDS患者(死亡者を含む累積数)の発生は,今世紀医学上の最大の問題といっても過言ではない.
WHO(世界保健機関)の報告による世界の累積患者数は,増加の速さは減少したものの,1996年6月末から同年10月末の4カ月間で約15万人も増加している.特に,アジアにおける罹患数の急増が認められ,インド,タイ,ミャンマーなどを中心に今後の爆発的な患者・感染者の増加が懸念される.
本稿では世界およびわが国におけるAIDS/HIVの現況を整理し,疫学的考察を行った.
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