今月の主題 アレルギー疾患の最近の考え方と治療
アレルギー疾患治療の将来的展望
高親和性IgEレセプター(FcεRI)を標的にした肥満細胞活性化の制御
羅 智靖
1
,
Pawankar=Ruby
1
,
西山 千春
1,2
1順天堂大学医学部免疫学
2アサヒビール基盤研究所
pp.341-345
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904386
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ポイント
●肥満細胞は,外界からの抗原に曝されている皮膚,気道,消化管などの粘膜に多数存在し,即時型アレルギーのコンダクターとなる細胞である.
●肥満細胞はTh2タイプのほとんどのサイトカインを合成・分泌し,好酸球,リンパ球を病変局所へ遊走させる働きがあり,アレルギー性炎症を始動させる.
●肥満細胞はIL-4,IL-13,そしてCD40 Lを発現し,B細胞のIgE産生へのクラススイッチを誘導する.
●高親和性IgEレセプター(FcεRI)とIgEの結合を阻止することによって,アレルギーの源を遮断できる可能性がある.
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